SMALL TALK

small talk : 世間話、雑談

CDとレコード、結局どっちの方が音がいいの?

こんにちは。
今日は、長年議論され続けているテーマであり、また気になっている人も多いであろうCDとレコードの音質比較についての記事を書いてみようと思います。
 
 

そもそもデジタルとアナログの違いって?

  
まず前提として、そもそもCDを代表とするデジタルメディアと、レコード盤に代表されるアナログメディアの違いについて確認しましょう。
 
音は一般的に「波形」で表すことができます。下の画像を見てください。

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絵心がなくてごめんなさい
 アナログメディアは、音の波をそのまま記憶することができます。
対してデジタルメディアは、音の波形というアナログの情報を細かく区切り数値化することで表します。波形がギザギザになってしまうのはそのためです。
このギザギザ度合いをより滑らかにし、アナログ波形に極限まで近づけることは可能ですが、アナログ波形そのものを完全再現することは不可能であると言われています。デジタルの限界ですね…。
 
以上を踏まえるとアナログメディアのボロ勝ちのように思えるかもしれませんが、そんなことはありません。
アナログデータの弱点として、コピーするたびに質が劣化していく点があります。
レコード盤を例に挙げると、その制作過程を経ることで、最終的な産物であるレコード盤の音質は元の音からは劣化したものとなってしまいます。
また、レコード盤を再生する際にも、ターンテーブルの機構が発するノイズやホコリなどの環境要因、また有名なパリプチノイズなど音質を劣化させる原因は探すとキリがありません。
対してCDなどのデジタルメディアは、いくらコピーをしても劣化しません。また再生する際にも音質を劣化させるような因子はアナログ再生ほど多くはないので、「原音再生」という意味ではかなり優れたメディアであるように思います。最近では機器のレベルもアップしているので、この傾向により拍車がかかってるとも言えます。
 
 

実際に音質比較してみた

 
御託を並べるのはこの辺りまでにして、実際にCDとレコードの音質比較をしてみましょう!

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使用したのはDavid Bowieの代表作「ジギー・スターダスト」の40周年記念リマスター盤のCDと、同じマスター音源を使用したレコード盤です。
CDプレーヤーはDENONのDCD-755RE、レコードプレーヤーはAudio TechnicaのAT-PL300です。どちらも廉価モデルなので、再生機器のグレード差から来る音質の違いについてはそこまで考慮しなくても良さそうです。(おそらくレコードプレーヤーの方がショボい)
というわけで、聴いてみた感想。
 

CD

まず気づいたのが音の分離の良さ!アコギやベース、ドラムの音がそれぞれはっきり聴こえて感動です。また音の質感も十分リアルで、正確な表現ができていると感じました。
アカンとことしては、ちょっと中音域が耳にうるさい気がしますね〜。これが俗にいう「デジタル臭さ」ってやつなのだろうか。
総評としては、素晴らしい音質です。正直言って、大多数の人間ならCDで十分満足できると思います。ハイレゾなんていらない!(暴論)
 

レコード

CDと比べると、音の分離はそこまで良くないですね〜。なんというか、音がひとつの塊となって押し寄せてくる感じがします。また中音域の煩さは気になりません。
そして、CDと比べて音が太いです。特にバスドラムやアコギの音に顕著です。レコードを聴いた後だと、CDは本来の音よりも音痩せしているように感じますね。
また音楽的な表現に優れているのはレコードの方だと思いました。「Moonage Daydream」の感動的なギターソロはレコードで聴くと涙が出そうになります。原音再生において本来「ノイズ」とされるべき音が、うまく作用しているのでしょうか?不思議ですね。
総評ですが、こちらもこちらで称賛されるべき音質だと思います。原音に忠実な再生というよりも、より音楽的な表現が楽しめるのはレコード盤の方ですね。
 
 

アナログマスター使用≠高音質?

 
CDとレコード、2つのメディアの音質傾向はこのようになりました。
1つ面白いのは、今回比較に用いたCDとレコード、どちらも同じマスター音源を使用しているということ。そのマスター音源というのは、24bit/96kHzで制作された「デジタル」マスターなんですよ。
ということは、おそらくCDとレコードの音の違いというのは使われているマスター音源の種類というよりかは、そのメディア自体が持つ特性によって左右されるものだということが分かってきます。
過去の音源をリマスターした再発盤とか、近年のデジタルレコーディングされた作品のレコード盤というのは、所謂「オーディオマニア」からは忌避されるべきものとしてしばしば語られますが、実際のところはそうした音源においても十分アナログの良さは味わうことが可能だと思います。
もっと具体的に言えば、近年の作品だと電子楽器をフルに活用した売れ線のポップスのレコードよりかは、生楽器を主に使用した作品だったら中々満足できる結果になるのではないでしょうか。
 

まとめ

 
結論としては、「CDもレコード盤もそれぞれ違った良さがあり、音楽の雰囲気や使われている楽器の種類によってこれらを買い分けていくべき」ということになりそうです。
しかし、一応検証を行ったとはいえ、ただでさえ主観に依る所が大きいオーディオの世界です。あくまでも個人の意見ですし、人によってまた結論は変わってきそうですが、とりあえず僕はこの方針で音楽を楽しんでいこうと思います。