SMALL TALK

small talk : 世間話、雑談

Love is Dead / CHVRCHES

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今回は、ついこの前の5/25に配信されたCHVRCHESの3枚目の作品「Love is Dead」について。

 

彼らのことはデビュー作である「The Bones Of What You Believe」が出た頃から好きでよく聴いていた。

確かそれの収録曲の「Gun」のMVを見て、80年代っぽいサウンドプロダクションや抜群のメロディーセンス、そしてヴォーカルのローレン・メイベリーの少女のような声に一目惚れしたんだっけ…。(実際のところローレンのルックスが1番の要因だった)

他の曲も粒ぞろいで、いつしか自分はiPhoneにローレン専用の写真フォルダを作るくらい彼らに熱中していた。

www.youtube.com 何故か公式の動画がないので仕方なく非公式のを。

もちろん次作もめちゃくちゃ期待して待っていたが、2015年に出たその2枚目「Every Open Eye」は正直言って期待はずれの作品だった。

ローレンの声質が変化して、以前みたいに少女のような今にも壊れそうなかよわい声ではなく、少年のような力強い声になったことへの違和感も多少はあったが、やはり最大の要因はキラーチューンの少なさにあったと思う。1作目よりも曲毎の平均点は上がったが、最高点は以前より下がったという印象。(もちろん「Make Them Gold」とか「Empty Threat」などといったいい曲はあったのだけれど。)

というわけで、2枚目のアルバム以降は自分のCHVRCHESに対する熱情もすっかり冷めてしまったのである。(実際この頃からローレンフォルダの更新も止まっている)

だから今回の「Love is Dead」のリリースの報せを聞いても、個々のシングル曲のチェックはしても、アルバム全体に関しては「あ、そっか。時間ある時にでも適当に聴いておくか」くらいの気持ちだったのである。

ところがびっくり、今回のアルバムは下手すりゃ年間ベストに食い込むかもしれないくらいの大傑作だったのである。

 

まず、今作は収録曲のメロディーのキレが抜群である。屋台骨となるキラーチューンの存在も前作と比べて確実に多くなっており、その他の曲の完成度も高い。先ほどの表現を借りるならば、曲毎の平均点も上げただけではなく、最高点も前よりアップさせてきたという離れ業を成し遂げているのだ。

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また、楽曲に1作目の頃にあったダークな雰囲気が戻ってきている。「Night Sky」や「Recover」のような、少しダークで切ない、もの悲しい印象を抱かせる曲が多数収録されているという意味である。こういう雰囲気は彼らの持ち味だと思っているので個人的にはとても嬉しい。

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 例えば「My Enemy」はUSインディー界のボス的存在であるThe NationalのMatt Berningerが参加したことで、彼らのダークな世界観がさらなる進化を遂げた良曲であると言える。

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 よくよく考えてみれば、アルバムタイトルも「Love is Dead」というかなりネガティヴな言葉だし、そういったコンセプトで制作が進められた可能性も大いにあると思う。

 

実は今作では、収録されている13曲のうち実に9曲において、プロデューサー兼作曲者としてあのグレッグ・カースティンの名前がクレジットされている。

グレッグ・カースティンといえばご存知の方も多いと思うが現在の音楽シーンを代表するといっても過言ではない超売れっ子プロデューサーである。(実際に彼は2年連続でグラミー賞の最優秀プロデューサー賞を獲得している。) 

これまでにプロデュースした作品をざっと挙げると、Adeleの「25」、Beckの「Colors」、Foo Fightersの「Concrete And Gold」、そして我らがLiam Gallagherの「As You Were」など。スゴい顔ぶれである。

これらの作品をはじめとした彼のプロデュース作品には共通している点があって、それは何かというと、それぞれのミュージシャンの個性や持ち味が活かされつつも、幅広いリスナーに訴求する普遍性も兼ね備えている点。

これってマスに間口を広げつつも、これまでそのミュージシャンを応援してきたコアなファン層を納得させる(=間口を狭める)というふたつの相反する要素を同時に共存させているわけで、非常に難易度の高いことをしているのである。まあ、さすが世界一のプロデューサーだなという感じやね。

そして今回のCHVRCHESの作品もその例に漏れず、1作目に顕著な彼らの持ち味であるゴスな世界観を発揮しつつ、これまでのどの作品よりも大衆に訴えるような内容となっている。

これの良い例として「Miracle」はまるでImagine Dragonsのように勇壮な、力強い声で歌われるサビ部分と今までのCHVRCHESらしい雰囲気が見事に合わさった、先ほど述べた内容をよく表している曲だと言える。

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 あ、そうそう!必ずアルバムに1曲は入っている、マーティンのヴォーカル曲も忘れてはいけない。毎回楽しみにしていて、これが無くなったらおそらく自分はCHVRCHESのファンをやめると思う。

前作に入っていた「High Enough To Carry You Over」はなんだか演歌みたいな歌重視の曲だったが、今作の「God’s Plan」という曲はあの「Under The Tide」を彷彿とさせる超ダンサブルな曲。ライブでのキレッキレなマーティンたそダンスを期待している。

youtu.beマジでキレッキレ。

 

結論、今作「Love is Dead」は、これまでのファンを満足させる内容になっているのは勿論、新規のファンも多数開拓することが可能なポテンシャルを持っていると思う。今年のフジロックには自分は行かないけれど、行ける人は彼らのパフォーマンス(とマーティンたそダンス)を目に焼き付けておくことを強くオススメする。

そして自分のCHVRCHES熱もまた高まってきたので、ローレンの写真フォルダの更新もまた再開していこうかなと思う。

というわけで、最後は自分の1番好きなローレンの画像を貼って結びとします。

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