SMALL TALK

small talk : 世間話、雑談

天下一品ラーメン、音楽界でいうプリンス説

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天下一品ラーメンは僕の大好物のひとつだ。

巷では「箸が立つ」と言われるくらいに濃厚なドロドロこってりスープは確かに人を選ぶが、大体の人は最初は違和感があっても何回か食べるうちに病みつきとなり、多くの人が信者となってしまうのである。

何を隠そう僕も天一信者の1人であり、どんぶりの底に書かれているように毎日通うわけではないにしろ、週一くらいでよく食べにいっている。まあ、健康の前借りをしている気もしなくもないが、とりあえずそのくらいの中毒性を持った食べ物というわけである。

 

そしてこの前もいつもと同じように、天一に行ってこってりラーメンを食べていた。だが、食べているうちに、ひとつの考えが僕の頭の中に浮かんだのだ。

 

天一のこってりラーメンって、プリンスに似てないか?」

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 もうプリンス(以下殿下)、この容姿からしてこってりラーメンの擬人化のようであるが、こってりラーメンと殿下の共通点は他にも色々とあるのである。箇条書きで説明していきたいと思う。

①人を選ぶ唯一無二の音楽スタイル

よく、殿下の音楽は唯一無二であると言われる。例えば、80年代に顕著だった、ドラムマシーンと独特な音色のシンセを多用した所謂「密室ファンク」、そしてそれに組み合わされる怪鳥のようなシャウトと糸を引くようなファルセットボイス。他にも例を挙げると枚挙にいとまがないが、とにかく彼の音楽は個性的なのである。

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こんな濃厚な音楽スタイルなので、自分みたいにたまらないほど大好きな人もいれば一切受け付けないという人もいる。好き嫌いがとてもよく分かれる音楽なのである。

そして、大好きだ!という人でも、初めて聴いた時には違和感を感じたが、何回か聴いていくうちにその音楽の虜となっていくパターンの人がほとんどだろう。

これって天一のこってりラーメンと一緒だよね?こういう音楽ってよく「スルメ音楽」という言葉で形容されるが、これからは「天一のこってりラーメン音楽」という風に名前を変えてもいいと思う。

②なのに世界的に人気がある 

これは殿下のスゴいところの1つでもあるが、 彼はこんなヘンテコな音楽をやっているにも関わらず、アメリカ国内のみならず世界的に人気がある。

これは天一のこってりラーメンも同じである。あれも人を選ぶラーメンなのに全国的に人気があり、なんとハワイに海外進出もしているのである。大衆に媚びない、信念を持ったモノづくりの賜物なのであろう。

③現代の流行を追いきれてない感じ

殿下はたまに、その当時に流行っている音楽ジャンルに節操なく手を出すことがある。(これを殿下のご乱心と僕は呼んでいる) 例えば、2014年に発表された「ART OFFICIAL CAGE」という曲では果敢にもEDMに挑戦している。

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が、正直なところこの挑戦は成功とは言い難い。90年代には同じような感じでラップにも挑戦しているがやはり結果はあまり良くなかった。どうしてもモダンにはなりきれないのである。

天一のラーメンにも同じようにどこかカジュアルになりきれない感じがあって、どんぶりに描かれているいかにもなデザインも含めて、どこか昔ながらの中華そばスタイルみたいなものが感じられるのである。

これは全然悪いことではなくて、裏を返すとそれだけ基本の軸となるもの(こってりラーメンと80年代の密室ファンク)がしっかりとしていて存在感が大きいということを意味するのだと思っている。

DIY精神

殿下はギターのみならず、ベースやドラム、キーボードなど数多くの楽器を演奏することができるので、自作した曲も演奏を全て自分1人でこなしてしまうといういわばDIY精神を持つミュージシャンである。

一方、天下一品ラーメンの創始者で現代における現人神とも言われる木村勉社長もまた、殿下と同じようにDIY精神を持っておられる。

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木村社長は屋台を引いて苦節3年、たった1人で試行錯誤しながらあの至高のこってりスープを完成させたらしい。その姿は音楽神に愛された男でもあるプリンスと重なるところがある。

⑤高カロリーな音楽

殿下が1992年に発表したアルバム「Love Symbol」は18曲74分というボリュームも相まって、コッテコテでぎっしり詰まっているという印象を受けるアルバムである。(このアルバムに限らず殿下の90年代の作品は結構がっつりしているという印象が強い)

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そして天一のこってりラーメン、これも並一杯で約 1000kcal弱というバケモン級の代物であり、90年代の殿下作品を彷彿とさせるのである。これまで両者の様々な共通点を挙げてきたが、もうここまできたら、天一のこってりラーメン=プリンスと言い切ってしまってもいいのではないだろうか…。

 

最後に、この記事を通してひとつ見えてくる結論がある。それは、好きなものにはどこか似通った点があり、そういう点を探してみるのもまた楽しいのではないか、ということである。

今回はたまたま天一のこってりラーメンとプリンスだったが、他の例でも探せば見つかると思う。皆さんも空いた時間や暇な時に探してみてはいかがだろうか。

(ちなみに今日6月7日は殿下の60回目の誕生日です。雲の上の殿下にこの記事を捧げます。愛してるよ〜)

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