SMALL TALK

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Pale Wavesのルーツを辿る

こんにちは。

今回の記事は、Pale Waves特集の第三弾でございやす。

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Pale Waves中毒患者であるワタクシは、YouTubeでは彼らのライブ動画やMVだけにとどまらず、よくインタビュー動画を見ている。

こういうインタビュー動画では日本語字幕がついてるものは少なくほとんどが英語のみなのだが、ある程度のリスニング力があれば大意を掴むことは難しくないし、加えて今のYouTube動画は字幕の自動生成機能がついているため、その助けを借りることでほとんど不都合なく動画を見ることができる。

それで、いろんなインタビュー動画を見てきた中で個人的に面白いなと思ったのが今から紹介するこのふたつの動画。

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これはPale Wavesの中心メンバーであるヴォーカルのヘザーとドラムスのキアラが、彼らが好きだったり影響を受けたレコードや曲について話している動画。

ここで挙げられている音源の中から7曲セレクトして、彼らの音楽性のルーツについて考察してみたいと思う。

 

1. Disintegration / The Cure

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2. The Queen is Dead / The Smiths

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まずはキュアーとスミス。キアラのフェイバリット・バンドであり、彼女たち2人の絆を深めるきっかけともなった重要なバンド。

両者ともキラキラなギターポップを得意とするバンドであり、そういった曲で使われているキラキラなギターサウンドはPale Wavesの特徴の1つでもある。「Kiss」とか「The Tide」、「Heavenly」などの曲を聴くと彼らからの影響を感じ取りやすいと思う。

特にキュアーがPale Wavesに与えた影響は大きいことは、ヘザーとキアラが好んでするゴス・メイクからも明らかだろう。メイクだけではなく、鬱屈とした世界観や音作りなどからもキュアーからの影響を色濃く感じることができる。

 

3. That's What You Get / Paramore

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パラモアからの影響を感じさせるところといえば、この連載で何回も使ってしまっている表現だがズバリ「エモさ」だろう。

Pale Wavesのメロディーはどこか00年代のエモ系バンドに通じる「エモい」雰囲気を持っている。綺麗なのにどこかもの悲しかったり、感情を揺さぶる雰囲気を持つメロディーと言ったところか。

ヘザーはパラモアの他にアヴリル・ラヴィーンもフェイバリットにあげており、彼らが音楽シーンの最前線で活躍していた頃に多感な時期を過ごしていたのだろう。彼女が作る曲のメロディーにも知らず知らずのうちにそういったミュージシャンの影響がにじみ出ているのもこれで説明がつく。

 

4. I Can't Be With You / The Crunberries

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ヘザーの特徴的な歌い方は、このクランベリーズのヴォーカルであるドロレスの歌い方から結構影響を受けているのではないかなと感じる時がある。

両者とも曲自体はすごいポップなんだけど、ヴォーカルの歌い方で他のミュージシャンに無いような個性を獲得できているように思う。

ナンバーワンではなくオンリーワンになること、流行の移り変わりが激しい音楽界では大切なことだ。

 

5. The Whole Of The Moon / The Waterboys

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ウォーターボーイズは80年代に活躍したスコットランドのバンド。80'sサウンドアイリッシュ・トラッド・ミュージックを組み合わせた独自の音楽性が特徴的。

影響を受けたというよりは個人的なフェイバリットソングという意味合いで挙げたのだろうが、彼らの80'sへの偏愛が感じられるセレクトではある。

余談だが、このウォーターボーイズのリーダーであるマイク・スコットはろくでなし子さんと結婚してたことを今回調べてみて初めて知った。割と衝撃。笑

 

6. Young Blood / The Naked And Famous

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ネイキッド・アンド・フェイマスはニュージーランド出身のエレクトロ・ポップバンド。ヴォーカルはラオスからの移民の二世だそうな。

普通に売れそうなエレクトロポップなんだけど、どこかインディー臭を感じるあたりPale Wavesとの共通項を感じる。ギターの音がしっかり聞こえるところも似ているしね。

バンドのサウンドメイキングの要であるキアラのフェイバリットらしいし、何かしら曲作りにおいて影響を受けている点はありそう。

 

7. The Downtown Lights / The Blue Nile

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最後はブルー・ナイル。

80年代に活躍した、緻密で繊細なサウンドプロダクションで異彩を放ったバンド。

最初に挙げたインタビュー動画で初めて彼らの存在を知ったが、しっとりとした大人の雰囲気がムンムンの楽曲が印象的だった。曲自体も粒ぞろいで、すっかり彼らの虜になってしまった。

Pale Wavesに関しても、「My Obsession」とか「New Year's Eve」、そしてアルバム「My Mind Makes Noises」の中盤に並ぶ落ち着いた楽曲群は確実にブルー・ナイルの影響を受けているとみていいだろう。

個人的には、このブルー・ナイルのような落ち着いた方向性の楽曲の出来をどこまで高められるかによってPale Wavesの未来は変わってくるのではないかなと思う。

 

 

というわけで、今回はPale Wavesの音楽性のルーツをバンドメンバーの発言を元に辿ってみた。

今はSpotifyのような定額の音楽配信サービスが充実していることだし、せっかくなので他のミュージシャンでも同じようにルーツを辿ってみるときっと新たな発見が得られたりして面白いと思う。ではでは。

(最後に、デビュー作「My Mind Makes Noises」が全英チャートで初登場8位を獲得したとの報せが。本当におめでとうございます!!)