SMALL TALK

small talk : 世間話、雑談

ビリー・アイリッシュの世界

暗くて鬱病っぽいポップスは僕の大好物である。

夜に車でドライブしている時とか、1人で自分の部屋にいる時とかに聴いていると、自分自身の内面世界にどこまでも深く潜っていける気がする。

今回紹介するBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)は、そういった音楽を奏でてくれる僕のお気に入りのミュージシャンの1人だ。

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前にもこのブログで書いたように、僕が彼女の存在を知ったのは今年の3月、アメリカ滞在中に見た音楽番組でのパフォーマンスがきっかけである。

そこで聴いた「ocean eyes」という曲は僕のストライクゾーンにピンズドでハマって、すぐにその場で彼女の他の曲をSpotifyで聴き漁った。(こういう時、Spotifyって本当に便利だと思う)

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彼女の魅力はまず、その透き通るような声だろう。幼い頃の聖歌隊での経験で鍛えられた高音域だけではなく、表現力もかなり高いレベルにあると思う。

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また、彼女が「生まれた時から1番の親友」と語る、兄のFinneas O'Connellとの共作で制作するクオリティの高い曲もまた魅力のひとつである。

彼女は影響を受けた音楽としてLana Del Rey、Tyler, The CreatorA$AP Rockyなどの影響を挙げており、なるほどその影響を色濃く感じさせるバックトラックとなっている。

この3組は自分も好きでよく聴くミュージシャンであるから、彼女の音楽を気に入ったのも当然といえば当然であるのかもしれない。

また、8歳の頃からダンスも習っていたという彼女。ライブパフォーマンスやMVの中で見せるアクションも個人的にはお気に入り。本当に多才な人である。

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驚くべきなのは、彼女は 2001年生まれ、まだ若干16歳であるという点。だが彼女が実年齢よりも幾分か大人びて見えるのは、彼女を取り巻く複雑な環境からだろうか。

実は彼女は生まれてから一度も学校に通ったことはなく、兄のフィニアスと共に自宅で教育を受けてきた。

学校という場所には通うことによるメリットも確かにあるが、周りの人間関係に苦しんだり、周囲の環境に無理に適用しようとして結果的に没個性になってしまったりといったデメリットを内在しているのもまた事実なのである。

集団に混ざるっていうのが、全然わからない。自分とそっくり同じように見える人間でいっぱいの部屋に、なんで入りたいと思うわけ?わからないな、そういうの。人と同じ格好をして、どんな意味があるの?もうそういう格好をしてる人がいるんなら、自分なりの格好をすればいいのよ。何が欲しいか、どんな人間になりたいか、何を着たいか、誰みたいに見られたいか、私はいつもわかってる。

引用元:https://www.ssense.com/ja-jp/editorial/music-ja/dont-ask-billie-eilish-to-smile?lang=ja

彼女のこうした個人主義的な考え方は学校に通わないという経験から生まれたものなのかもしれないし、ビリー・アイリッシュというミュージシャンを形成する大事な要素の1つであるように思える。

僕もこういう考え方にはすごく共感できるし(高校時代をデヴィッド・ボウイと共に過ごしたようなちょっと変わったティーンだったので仕方がないとも言えるが)、同時にすごく羨ましく思える。

 

ところで、Spotifyでは全世界におけるそのアーティストを聴いているリスナー数を閲覧することができるのだが、ビリーのリスナー数は今現在の時点で3月の500万人から3倍の1500万人に増えていた。多分これは、彼女の曲「lovely」がNetflixのドラマ「13の理由」に使われた影響だろう。

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「13の理由」の劇中で描かれている内容はというと、SNSなどによって引き起こされる現代の若者たちの複雑な人間関係、そして自殺や鬱、不安といった感じだろうか。これが今全世界の多くの若者たちの共感を呼んでいるのである。

そしてビリーの作る曲たちも、この「13の理由」と同じ類の雰囲気を纏っているように思う。

Oh I hope someday I’ll make it out of here 

Even if it takes all night or a hundred years 

Need a place to hide, but I can’t find one near

Wanna feel alive, outside I can’t fight my fear

この「lovely」の歌詞は鬱からの脱出とその難しさを歌ったものである。

分かる人には分かると思うが、鬱状態というのは一回抜け出せば終わりではなかなかなくて、何回も繰り返し襲ってくるものである。

内容がリンクする点もあるし、まさにこのドラマにピッタリの選曲であると言えるだろう。

 

というわけでBillie Eilish、僕的にはとてもオススメのミュージシャンである。

この記事で紹介した動画などを見て気に入った人は、是非今年の夏にサマーソニックで彼女のパフォーマンスを体感してほしい。

 

 

 

[追記]

第二弾の記事を公開しました!現在の彼女のことも知りたい方は是非ご一読ください。

green-david0705.hatenablog.com