SMALL TALK

small talk : 世間話、雑談

As You Were / Liam Gallagher

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こんにちは。今回は僕が地球上で最も愛するロックンロールシンガー、リアム・ギャラガーの出たばかりの新作"As You Were"についての記事を、オタクに片足を突っ込んだいちファン目線から書きます。

[アルバムレビュー]

1. Wall of Glass

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ソロデビューシングル。まさに音の壁をなすようなギター、デカい音のドラムとOasis要素満載の曲。これを一発目に持ってくるなんてズルイことしますよね…。

You were sold the one diraction

I believe in the resurrections

歌詞の方も1Dとローゼスに関するワードを引用してくるあたり、クスッとさせます。 メロディもなかなか良いし、アルバムの一曲目としては最高ですね。

2. Bold

1曲目と打って変わって内省的な曲調。例えるなら"I'm Outta Time"みたいな雰囲気かなあ。リアムが単独で作曲した曲だけれど、アルバム中の他の共作曲にも負けていないと思います。歌詞にはノエルへの当てつけなのか?と思わせるような表現がちらほらと。

3. Greedy Soul

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一聴した瞬間、キター!!!と思いました。こういうロックンロールにリアムの声は本当によく似合います。めっちゃくちゃかっこいい。もうこの時点で今回のアルバムは良作だなと確信しました。しかし彼が本領発揮するのはこの後からです。

4. Paper Crown

個人的な今作でのベストトラック。ものすごい良い曲なんですけど、Oasis時代のノエルが書く、俺が守ってやるぞ的なバラードとはまた違った感じの寂しげなメロディで。

You went too far

Oh woman now you're feeling the fear

Cause you've never been alone before

And the wolf is at the door

Now it's better if you hold your breath and don't look down

At the pages of your paper crown

 

お前は行き過ぎた

今になって怖くなってるんだ

だって今まで孤独になったことなんてなかったんだから

ドアには狼もいるしな

だから今は息を殺して下を向かないほうがいい、見せかけの王冠のページが見えてしまうよ

歌詞もなんだか示唆的。

これまでずっとバンドに所属して活動してきたリアムでしたが、Beady Eyeがどうにも立ち行かなくなり3年前に解散。Twitterで暴言芸人と化し、音楽からはほとんど引退状態でした。ファンの自分もこんなことを書くのは辛いですが、傍目には過去の栄光にすがる痛い元ロックスター的な見られ方もきっとされてたでしょう。まさしく"Paper Crown"を頭につけた王様のように。

しかし彼は紆余曲折あり、かつては嫌っていたソロデビューという孤独な道を選びました。この曲の歌詞を見てみると、今書いたことも少しは歌詞に関係しているのかな、と妄想が捗ってしまいます。

5. For What It's Worth

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3rdシングル。一部では「リアムソロ版のDon't Look Back in Anger」と言われているそうですが、僕はどっちかというとDon't Go Awayの方が雰囲気似てないか?と思います。 まあでも、そんな議論どうでも良く思えるくらいの名曲だよな。この曲もまた歌詞が示唆的でいいなァ〜。

6. When I'm in Need

開始〜0:30頃までの寂しげなメロディが最高すぎる。リアムの優しい歌い方も加わって涙腺崩壊です。アルバムの前半にこういった寂しげなメロディを持った曲が多いのって、やっぱりさっき書いたような理由が関わってると思うんですよね。

後半は打って変わって開放的な曲調に。そして7曲目のYou Better Run、8曲目のI Get ByとかつてのOasis時代のようなロックンロールが続きます。不安たっぷりのソロデビュー当初から、成功を収めて自信をつけていくような姿が想像できてなんとも微笑ましい流れです。(もちろんこれも妄想です)

9. Chinatown

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今までなかった感じのフォーキーな曲。リアムの声にかけられたエコーが気持ちいい。

10. Come Back to Me

"I am The Walrus"みたいなリズムとサウンドを持った曲。いつもと変わらないビートルズ愛がとても微笑ましくて、お母さんのような気持ちで聴けてしまいます。

11. Universal Gleam

アルバムの実質的なフィナーレを飾る曲。来日公演でもそんな感じの使われ方をされていました。"Champagne Supernova"のようなアンセミックなメロディが、共作ではなくてリアム1人の手によって生み出されたことには驚きを隠せません。ソングライターとしても確実に進化しているなあ。

12. I've All I Need

個人的にはU2のような雰囲気を感じさせる1曲。壮大なスケール感と自らの今後への明るい希望を漂わせてアルバムの幕は閉じます。

 

[総評・まとめ]

As You Were、いやあ本当に素晴らしいアルバムだと思います。今のところだとOasisの"Be Here Now"くらい気に入っています。

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全英アルバムチャートでも初登場でダントツの1位だったそうです。聞くところによると上半期バカみたいに売れたエド・シーランの"÷"以来の勢いだそうな。「今回のソロアルバムがコケたら音楽辞めてやるぜ」って言ってたけどこれなら辞めなくて済みそうですね、本当に良かった…。

何故こんなにウケたのか。僕はやっぱり単純に曲がいいからだと思います。アルバムレビューでも書いた通り、今作の収録曲のいくつかはリアムと外部ライターの共作となっています。 この共作という形態、最近の音楽界ですごい流行っていますよね〜。2年前のアデルのアルバムから始まって、今年ではベックとか1Dのハリー・スタイルズのソロアルバムとか。曲のクオリティはとりあえず担保されますからね。作家のオリジナリティが出にくいという問題点もあるんですけど、リアムの場合はその声の圧倒的な記名性でそこをクリアしているように思えます。

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ノエルの方も11月に出るソロ新作に向けて、最高の新曲を届けてくれました。そりゃあOasis再結成してくれたら1番嬉しいけど、こうやって2人それぞれの充実したソロ活動を追うのもなかなか楽しいな。では。